これがきしめんのルーツ芋川うどんだ!刈谷市きさんの感想

芋川うどんの碑

名古屋めしで有名なきしめんは、今となっては有名な食べ物だが、実はル-ツをたどると、三河地方(愛知県東部)の芋川(いもかわ)うどんがもとになった食べ物らしいのだ。

芋川とは江戸時代の地名で、現在の刈谷市(かりやし)一ツ木町今川・今岡付近の事。

かつての東海道に面した場所でもあり、現在では刈谷市教育委員会によって芋川うどんの碑が建てられている。

芋川うどんの碑の地図

ここで生まれた芋川うどんが東海道の旅人に親しまれ、そのうちなぜか名古屋めしになってしまった様だ。

芋川うどんは伊原西鶴の【好色一代男】や十返舎一九の【東海道中膝栗毛】という、江戸時代を代表する書物にも登場する食べ物なので、当時からの知名度は高かったのだろう。

しかし芋川うどんは明治時代に途絶えてしまい、一旦はこの世から消えてしまったが、刈谷市の地域おこしグループが、試行錯誤の末に2007年に復活させることに成功。

現在ではその芋川うどんを刈谷市一ツ木町にある、きさんという店で食べる事ができるそうなので早速行ってみた!

きさんの口コミ | 食べログ

きさんの地図

きさんの営業時間と定休日

きさんの営業時間を定休日はこの通りだ。

月・火・金の18:00~からは予約が必要みたいだ。

店内の様子

店内にはテーブル席と座敷席がある。

芋川うどんのメニュー

お!早速テーブルメニュ-とは別にラミネ-トしてある芋川うどんを発見!

今日はこれを食べに来たのだ。早速オ-ダーしてみた。

芋川うどんの注意事項

オ-ダーしてから気付いたのだが、きさんでは注文を受けてから麺を釜茹調理するので、時間がかかったり、他のテーブルのオーダーと前後したりすることもある様だ。

また麺の大盛り、少なめ、味の濃い口やうす口もOKなので、コダワリがある人は注文する時に+αで申し出てみよう。

いもかわうどん

オ-ダーから15分ほどで出てきた芋川うどん。見た目はきしめんそのものだが、きしめんとの違いをレビューしてみたいと思う。

芋川うどんの麺

まずは麺。きしめんと違って少し黒っぽい。

それもそのはず、きさんの芋川うどんの麺は、江戸時代と同じ様に地元の小麦を表皮近くまで使い、色濃く風味ある独自の小麦粉を特別に製粉したものなのだ。

また製法もこだわっており、塩を使わずに手打ちして、踏み込んだ後にしっかりと寝かせたもの。

こうすることによって、薄く延ばしてもシッカリとした腰が生み出されるそうだ。

塩を使わずに麺を打つのは、戦国大名・武田信玄で有名な山梨県の郷土料理・ほうとうと同じで、そういえば歯ごたえも、ほうとうに近いものがある。

だが、ほうとうと違うのは麺の大きさだ。

ほうとうより小さいが、コシはうどんよりも強い。一言でいえばこれが芋川うどんの特徴だ。

芋川うどんの鶏肉

次に愛知県内産の鶏肉。

販売当時は時代考証正しく、雉肉(きじにく)を使っていたそうだが、雉肉が入手困難となり、代わりに鶏肉を使っているそうだ。

私は雉肉はまだ食べたことがなく、どんな味がするのか分からないが、鶏肉とはだいぶ違うのだろうか?

芋川うどんの汁

芋川うどんは、ス-プもきしめんとは違い少し変わっている。

これはきさんオリジナルのキジメンス-プというもので、鰹ダシに地元のたまり醤油で味を付け、地元のみりんを仕上げに使ったものなのだ。

ほんのり甘いがコクもあり後引くス-プに仕上がっている。

●味噌煮込みも!●

芋川味噌煮込みうどん

芋川味噌煮込みうどんの汁

きさんには、味噌煮込みうどんもあるのだが、+¥100で、麺を芋川うどんの麺に変更できる。

ちなみに味噌煮込みうどんは、卵入り味噌煮込みが¥750なので、麺を変更すると¥850だ。

また使っている味噌は、岡崎市のまるや八丁味噌を使用しており、コクというか味の深みがとにかく濃い。

まるや八丁味噌は、岡崎城から西へ八丁(約870m)の八丁村で作り始められた味噌で、三河地方ではブランド味噌になっている。

創業は延元(えんげん)二年(1337)と古く、かつて豊臣秀吉も少年時代に訪れたという逸話もある歴史的にも貴重な味噌蔵だ。

私のこのブログでも、以前、工場見学をレビューしてみたので参考にしてもらいたい。

>>試食、おみやげも無料!岡崎市まるや八丁味噌の工場見学に行ってみた感想

●私の感想●

さて、私の芋川うどんの感想だが、きしめんを食べたことがある人は、是非一度食べてみる事をオススメしたいと思った。

その理由は、まず歴史の中で一度途絶えてしまった芋川うどんを復活させたキアイに敬意を表したい。

また麺、ス-プ、そして味噌煮込みに至っては味噌までもコダワリがあり、味も良くあきらかにきしめんとの違いを楽しむ事ができるのだ。

ただ、待ち時間は店内が空いてても長く、今回も出てくるまで約15分くらいかかった。

私は食レビューを書いているので、いろんな飲食店に行く機会があり、うまいものを待つことには慣れているのだが、待つのが苦手な人にはおすすめはできない。

きしめんは名古屋市、いや愛知県中で食べる事ができるが、そのル-ツとなる芋川うどんはここだけなので、是非チェックしてみるのをオススメしたい。

●お持ち帰りも!●

芋川うどんお持ち帰り用

芋川うどんは持ち帰りセットが販売されている。

残念ながら楽天などのネット通販にはなく、きさんと刈谷ハイウェイオアシスのみの販売だが、自宅用で芋川うどんを楽しむ事ができるし、販売されているところが限定しているので、贈り物としてもある意味プレミアムものではないだろうか。

この持ち帰り芋川うどんのレビューは、またの機会にやってみたいと思う。

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