愛知県名古屋市港区に鉄道ファンを魅了する聖地がある。それがリニア鉄道館だ。
ここには新幹線、在来線をはじめ、かつて日本の鉄道を走った電車がものすごい数で展示されているほか、超電導リニア中央新幹線の体験ゾーンや新幹線N700のシュミレ-タ-などもあり、マニアだけではなく親子連れで楽しむ事ができる資料館だ。
そんなリニア鉄道館に鉄道ファンのみならず、注目されている駅弁がある。それが復刻昭和39年新幹線開業弁当だ!
なぜ昭和39年(1964)の駅弁が復刻されたのかという理由だが、東海道新幹線の開業が昭和39年で、平成26年(2014)がちょうど開業から50年目にあたる年で、それを記念して当時の弁当が復刻され販売されている。
ちなみに昭和39年は新幹線開業以外に次の様なできごとがあった。
【出来事】
・東京オリンピック開催で日本が金メダル16個を獲得
・巨人の王貞治55号ホームラン日本記録達成
・海外旅行が自由化される
・東京ヒルトンホテルが開業される
これをみると東京オリンピックに合わせての開業で、東京~大阪を約4時間で結んでいた。また日本の高度経済成長期にあたる。
そんな昭和39年(1964)当時の駅弁を食べる事ができるという事で、早速、リニア鉄道館に行ってみた!
リニア鉄道館の飲食コーナー。リニア鉄道館には多数の駅弁が販売されており、館内の飲食コーナーで食べる事ができる。
これが販売されている駅弁の種類。東海道新幹線開業50周年の記念駅弁もあるぞ!
どれもウマそうだが、今回の目的は50年前の駅弁だから、牛すき重や特選名古屋弁当に後髪をひかれつつ、復刻昭和39年新幹線開業弁当を注文してみた。
おお!これが昭和39年の復刻弁当だ!このセンス、私がこどもの頃の昭和末期でも見たことあるな。
内容を一部変更されているが、出来る限り忠実に復興されている様だ。変更されている内容が気になるが…?
そして蓋を空けると…おお!これが今から50年間の新幹線の駅弁。
梅干しが乗った日の丸調のごはんとおかず、そして漬物に分かれている。
そしておかず。
おかずのメインは…たぶん中央の白身魚のフライなのだろう。そしてそれを蓮根、玉子焼き、かまぼこ、牛肉の時雨煮(みたいなもの)、きゃらぶき、そしてサクランボなどで取り囲んである。
私の感想だが、シンプルだが昭和生まれの人は、どこか懐かしさを感じる弁当だと思った。
まず日ノ丸調のごはんというのが当時は当たり前で、中央のには大きな梅干しが乗っていた。この辺は現代のコンビニ弁当も見られるが、小学生の弁当にはあまりないセンスだ。
そしておかずは少し塩辛く感じた。たぶん保存のための塩分なのかもしれないが、白いごはんによく合う。この塩加減も当時のままなのだろうか?
さて、食べ終えるとなかなかの満足感なおだが、ここで気になる事がひとつある。この弁当の値段だ。
まず結果からいうと、この復刻昭和39年新幹線開業弁当の値段は¥820(税込)。
当時、東京~大阪間を4時間で結んでいた新幹線の料金が¥2,480というから、駅弁はもっと安かったはず。復刻弁当というなら値段も復刻して欲しかったな(笑)。
さて、リニア鉄道館は飲食コーナーで駅弁や弁当を食べる事ができるが、意外なスポットを紹介しよう。それが外に展示してある117系電車だ。
リニア鉄道館の電車は、基本的に見るだけで、座る事ができない車両も多い。しかしこの117系電車は座席に座って休憩できるうえ、飲食可能の車両なのだ。
お昼のランチ少し前だが、すでに何組かの来場者が美味しそうに弁当を食べている。
リニア鉄道館は再入場もできるので、休憩がてら外の117系電車で弁当を楽しむのも良いだろう。
動かないが、駅弁の雰囲気は堪能できると思う。